【プロ並みの仕上がり】スマホでも魅力的に見える物件写真の撮り方|反響率を劇的に変える撮影テクニック完全ガイド

「同じ物件なのに、なぜあの会社には問い合わせが集中するのか」──その答えは、写真にある。スマートフォン一台で実現できる、顧客の心を掴む物件撮影術を徹底解説する。
なぜ今、物件写真の質がこれほど重要なのか
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が実施した「2025年度不動産情報サイト利用者意識アンケート」によると、物件を契約した人が不動産会社を選ぶ際に最も重視するポイントは**「写真の点数が多い」**ことだった。この結果は直近3年間で最も高い数値を記録している。
さらに注目すべきは、不動産会社に対する口コミ情報が2位にランクインする一方で、「店舗がアクセスしやすい場所にある」という回答は2年連続で減少していることだ。現代の顧客は、立地よりも物件情報の質、とりわけ写真の充実度で不動産会社を選んでいる。
スマートフォンでの物件探しが主流となった今、小さな画面に映し出される写真こそが物件の「顔」となる。指先ひとつで拡大し、細部をチェックする消費者にとって、魅力的な写真は内見予約への最短ルートなのだ。
つまり、写真の質と枚数が反響数を直接左右する時代が到来している。
スマホ撮影の基本設定|撮影前の3分間で差がつく
グリッド表示を必ずオンにする
物件写真で最も多い失敗は「傾き」だ。柱や壁が斜めに映った写真は、たとえ物件自体が魅力的でも、見る人に違和感を与えてしまう。
iPhoneの場合、「設定」→「カメラ」から「グリッド」をオンにすることで、撮影画面に9分割の補助線が表示される。この線を建物の柱や壁、床の境界線に合わせるだけで、水平・垂直が整った安定感のある写真が撮れる。
Androidでも同様の設定が可能だ。機種によって設定方法は異なるが、カメラアプリ内の設定から「グリッド線」や「ガイドライン」をオンにできる。
広角モードを活用する
最近のスマートフォンには広角レンズが搭載されているものが多い。広角モードを使えば、狭い空間でも広がりのある写真を撮影できる。
特に6畳以下の部屋や、玄関、トイレといった狭いスペースでは広角撮影が威力を発揮する。ただし、過度な広角は実際より広く見せてしまい、内見時に「写真と違う」という印象を与えかねない。自然な広さを伝えることを意識しよう。
レンズの汚れを必ずチェック
意外と見落としがちなのがレンズの汚れだ。指紋やホコリがついたまま撮影すると、写真全体がぼやけたり、光がにじんだりしてしまう。撮影前には必ずレンズを柔らかい布で拭く習慣をつけよう。
明るさが9割|「暗い物件」という印象を消す撮影術
撮影は晴れた日の昼間が鉄則
物件写真は自然光で撮影するのが基本中の基本だ。曇りの日や夕方以降の撮影は、どんなに良い物件でも暗く陰気な印象を与えてしまう。
理想的な撮影時間帯は午前10時から午後3時の間。この時間帯は太陽の位置が高く、室内に自然光が入りやすい。特に外観撮影は、建物の正面に影ができない時間を狙うことで、明るく清潔感のある写真に仕上がる。
室内照明は原則として点灯する
「自然光で撮影」と言っても、室内の照明は点けた状態で撮影するのがおすすめだ。実際に入居者が生活する際のイメージに近づき、部屋全体が明るく見える効果がある。
ただし、照明と自然光のバランスには注意が必要だ。蛍光灯の光が強すぎると、窓からの自然光とのコントラストが不自然になることがある。その場合は、照明をつけた状態と消した状態の両方を撮影し、より自然に見える方を選ぼう。
露出補正で「明るさ調整」をマスターする
逆光や暗い室内では、スマホのカメラが自動で露出を調整してしまい、思ったより暗い写真になることがある。
iPhoneの場合、撮影画面で暗い部分をタップすると、その位置に露出が合う。さらに、表示される太陽マークを上にスライドすれば、全体を明るく調整できる。この操作だけで、暗くなりがちな室内写真が見違えるほど改善される。
部屋を広く見せる構図の極意
対角線撮影で空間を最大限に活かす
部屋を広く見せる最も効果的な方法は、部屋の四隅から対角線方向に向かって撮影することだ。この構図を使えば、画角(写り込む範囲)が最大化され、実際の広さを効果的に伝えられる。
具体的には、部屋の角に立ち、反対側の角に向かってカメラを構える。押入れやクローゼットがあれば、その中に入って撮影すると、さらに引いた位置から広く撮れる。
カメラの高さは「目線より低め」が正解
立ったままの高さでカメラを構えると、どうしても見下ろすアングルになり、天井が写りにくくなる。これでは部屋の広がりが伝わりにくい。
推奨されるカメラの高さは床から100〜120cm程度。これは、膝を軽く曲げた状態、あるいは片膝をついた姿勢での高さに相当する。この高さで水平にカメラを構えることで、天井から床までバランスよく収まり、開放感のある写真になる。
縦位置撮影で天井高をアピールする
天井が高い物件や、吹き抜けのある空間は、あえて縦位置(ポートレートモード)で撮影すると効果的だ。横位置では伝わりにくい「高さ」の魅力を最大限にアピールできる。
場所別・撮影のコツとポイント
リビング・居室
居室の写真は物件情報の中で最も重視される。RSCのアンケートでも、70%以上の回答者が「居室・リビングの写真」を必要な情報として挙げている。
撮影のポイントは以下の3つだ。
- 窓側から撮らない:逆光になり、部屋が暗く写る
- 窓を背にして撮影:自然光を取り込み、明るい印象に
- 対角線構図を基本に:複数の角度から撮影しておく
窓からの光が強すぎる場合でも、露出補正で室内を明るく調整することを優先しよう。窓枠が白飛びしても、室内が明るく映る方が印象は良い。
キッチン
キッチンは特に女性が重視する場所だ。清潔感と機能性が伝わる写真を心がけよう。
撮影時は、コンロ、シンク、調理スペースが一度に映る角度を探す。狭いキッチンでは難しいこともあるが、可能な限り全体像が伝わる構図を目指したい。
また、収納の充実度をアピールするなら、キッチン収納を開けた状態の写真も撮っておくと効果的だ。
浴室・洗面所
水回りの撮影で最も注意すべきは鏡への映り込みだ。撮影者自身やスマートフォンが鏡に映ってしまうと、どれだけ他の写真が良くても全体の印象を損ねる。
対策としては、以下の方法がある。
- しゃがんで鏡の映り込み範囲から外れる
- カメラの角度を調整し、映り込みを回避する
- どうしても映る場合は、後から編集でぼかす
浴室は狭い空間なので、ドアを開けて廊下側から撮影すると、全体を収めやすい。
トイレ
トイレは住宅の中で最も撮影が難しい場所だ。狭いため、どうしても後ろに下がれない。
この場合は上から見下ろすアングルも有効だ。便器の全体と、清潔感が伝わる床や壁が映るように構図を工夫しよう。また、収納棚やタオル掛けなどの設備があれば、それらも含めて撮影すると情報量が増える。
玄関
玄関は「家の顔」であり、第一印象を決める重要な場所だ。
撮影のコツは、立ったまま撮らないこと。立った状態で撮影すると、見下ろすアングルになり、玄関が狭く見えてしまう。膝をついた高さで、正面からドアを背にして撮影すると、奥行きと広がりが伝わる。
下駄箱を撮影する際も同様に、しゃがんで真正面から撮ると、斜めに歪まずきれいに仕上がる。
外観
外観写真は物件の「顔」として、ポータルサイトのサムネイルに使われることが多い。第一印象を決める重要な一枚だ。
撮影のポイントは以下の通り。
- 順光で撮影:太陽を背にした状態で撮ると、建物が明るく映る
- 斜め45度から:正面より斜めから撮る方が立体感が出る
- 青空を入れる:写真の上部1/3程度に空を入れると、爽やかな印象に
- 余計なものを避ける:電線、ゴミ置き場、通行人が入らないタイミングを狙う
外観撮影は午前中の早い時間帯がおすすめだ。空気が澄んでおり、クリアな写真が撮れる。
撮影後のひと手間で仕上がりが変わる
明るさ・コントラストの調整
撮影した写真をそのまま掲載するのではなく、簡単な調整を加えるだけで印象が大きく変わる。
スマートフォン標準の写真編集機能で十分だ。主に調整するのは以下の項目。
- 明るさ(露出):少し明るめに調整
- コントラスト:メリハリをつける
- ホワイトバランス:蛍光灯の黄色っぽさを補正
ただし、やりすぎは禁物だ。実際の物件と印象が大きく異なると、内見時にクレームの原因となる。あくまで「自然な見え方」を目指そう。
傾きの修正
撮影時にグリッドを使っていても、微妙な傾きが残ることがある。スマートフォンの編集機能にある「傾き補正」や「回転」を使って、水平・垂直を整えよう。
1〜2度の傾き修正でも、見た目の印象は大きく変わる。
不要な映り込みの確認
撮影後は必ず写真を拡大してチェックしよう。以下の点に注意する。
- 撮影者の影が映っていないか
- 鏡やガラスへの映り込みがないか
- 個人情報(郵便物、表札など)が映っていないか
- ゴミや汚れが目立っていないか
これらが確認できた場合は、再撮影するか、トリミングで対応する。
撮影枚数の目安と必須カット
20枚以上を目標に
調査データによると、物件写真が5枚程度しかない場合と20枚以上ある場合では、問い合わせの確度が大きく異なる。写真が豊富であれば、顧客は「この物件をもっと知りたい」と感じ、問い合わせへのハードルが下がる。
大手不動産ポータルサイトでは、写真のカテゴリごとに点数が設定されていることも多い。全カテゴリで写真を登録すると、検索結果での上位表示にも有利に働く。
必ず撮影すべきカットリスト
- 外観(正面・斜め・全景)
- エントランス・共用部
- 玄関
- リビング・居室(複数角度から)
- キッチン(全体・設備詳細)
- 浴室
- 洗面所
- トイレ
- 収納(クローゼット、押入れを開けた状態)
- バルコニー・眺望
- 設備(エアコン、インターホン、宅配ボックスなど)
- 周辺環境(最寄り駅、スーパー、公園など)
特に収納の写真は、ターゲット層によって非常に重視される。ファミリー層であれば収納量、単身者であれば洗濯機置場やシューズボックスの容量が気になるポイントだ。
顧客目線で考える「伝わる写真」の本質
ターゲットに合わせた撮影を意識する
物件写真は、誰に向けて撮るかで重点を置くべきポイントが変わる。
単身者向け物件では、テレワークスペースになりそうな場所、コンセントの位置、ネット環境(回線の引き込み口)などが関心事項だ。
カップル向け物件であれば、2人で使えるキッチンの広さ、近隣のカフェやショッピング施設の写真が効果的。
ファミリー向け物件では、公園や学校、病院へのアクセス、収納の充実度、リビングの広さがアピールポイントとなる。
問い合わせ後に使える写真も撮っておく
ポータルサイトに掲載する写真だけでなく、問い合わせ後の営業活動に使える写真もストックしておこう。
「詳細を知りたい」と問い合わせてきた顧客に、サイトと同じ写真を送っても効果は薄い。顧客が求めているのは、サイトには載っていない細部の情報だ。
例えば、以下のような写真は問い合わせ後の追加資料として重宝する。
- コンセントの位置や数
- 窓からの眺望(複数の時間帯)
- 天井の梁やダクトの様子
- 床材や壁紙のアップ
- 設備(給湯器、エアコン)の型番がわかる写真
フランチャイズ加盟で得られる撮影支援
物件写真の重要性は理解していても、日々の業務に追われる中で撮影の時間を確保するのは容易ではない。特に繁忙期には、撮影に割ける時間はさらに限られる。
こうした課題を解決する手段のひとつが、フランチャイズ本部からの支援体制だ。
ハウスコムフランチャイズでは、加盟店向けに様々な業務支援を展開している。物件情報の入稿作業を効率化するシステムや、撮影から掲載までをサポートする仕組みなど、現場の負担を軽減するノウハウが蓄積されている。
また、直営店で培われた反響獲得のノウハウは、定期的なベンチマークセミナーを通じて加盟店に共有される。他の不動産会社がどのような写真を掲載し、どのような結果を得ているか──そうした生きた情報を得られることは、独立系では難しいメリットだ。
「写真撮影に時間をかける余裕がない」「どんな写真が効果的かわからない」──こうした悩みを抱える経営者にとって、フランチャイズという選択肢は、業務効率と成果の両面で大きな力となる。
まとめ|今日から実践できるチェックリスト
最後に、本記事の内容を実践用チェックリストとしてまとめておく。撮影前に確認し、一枚一枚の写真品質向上に役立ててほしい。
撮影前
- [ ] スマホのグリッド表示をオンにした
- [ ] レンズの汚れを拭き取った
- [ ] 撮影時間帯は午前10時〜午後3時の間
- [ ] 天気は晴れまたは曇り(雨天は再撮影を検討)
撮影時
- [ ] 水平・垂直を意識している
- [ ] 部屋の四隅から対角線方向に撮影した
- [ ] カメラの高さは100〜120cm(膝を曲げた高さ)
- [ ] 照明は点灯した状態
- [ ] 鏡・ガラスへの映り込みを確認した
- [ ] 20枚以上撮影した
撮影後
- [ ] 明るさ・コントラストを調整した
- [ ] 傾きを補正した
- [ ] 個人情報や不要な映り込みがないか確認した
物件写真は、デジタル時代における最重要の営業ツールだ。プロカメラマンを雇わずとも、本記事で紹介したテクニックを実践すれば、スマートフォンだけで反響率を大きく向上させることができる。
一枚の写真が、顧客との出会いを生む。今日から、その一枚を磨き上げる取り組みを始めてみてはいかがだろうか。


