【反響率2.4倍の実績も】バーチャルツアーで物件訴求力を高める|360度カメラ・VR活用で他社と差をつける次世代の物件紹介戦略

「写真の点数が多い」——。
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が実施した最新の「不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025年)で、顧客が不動産会社を選ぶポイントの第1位に輝いたのは、まさにこの項目だった。しかも、その回答率は直近3年で最多を記録している。
さらに注目すべきは、非対面型サービスへのニーズの高まりだ。同調査によると、「オンライン内見を使ってみたい」と回答した賃貸検討者は40.9%に達し、「オンライン契約」の利用意向は42.2%と3年連続で上昇を続けている。
この2つのトレンドが示唆するのは明白だ。「ビジュアル情報の充実」と「非対面での物件確認」を両立させる手段——それがバーチャルツアーである。
本記事では、360度カメラやVR技術を活用した次世代の物件紹介手法について、導入メリットから具体的な実践方法、そして成功のポイントまでを徹底解説する。競合他社との差別化を図り、反響率・成約率の向上を目指す不動産賃貸仲介会社の経営者・担当者の方は、ぜひ最後までお読みいただきたい。
1. 顧客の期待値が変わった——データが示す「視覚情報重視」の実態
1-1. 不動産会社選びの決め手は「写真の点数」
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が2025年に実施した調査では、物件を契約した顧客が「不動産会社を選ぶポイント」として最も重視したのは**「写真の点数が多い」**という項目だった。
この結果は、顧客の物件選びにおける行動変容を如実に表している。かつては「店舗がアクセスしやすい場所にある」といった立地条件が重視されていたが、近年は店舗の立地よりも物件情報そのものの充実度を優先する傾向が強まっている。
実際、同調査では「店舗がアクセスしやすい場所にある」は2年連続で重視度が低下しており、顧客はまず「どんな物件を扱っているか」をオンラインで徹底的に確認してから、不動産会社を選定する時代に突入していることがわかる。
1-2. オンライン内見ニーズは定着へ
コロナ禍をきっかけに急速に普及したオンライン内見は、5類移行後も確実に定着しつつある。RSC調査によると、賃貸検討者の**40.9%が「オンライン内見を使ってみたい」**と回答。さらに「IT重説(オンラインでの重要事項説明)」の利用意向は49%と調査開始以来最高値を記録した。
特筆すべきは、こうしたオンラインサービスへの需要が「一時的なブーム」ではなく、顧客の行動パターンとして定着しつつある点だ。ある調査では、2024年度の首都圏における賃貸契約者のうち、**オンラインで内見を実施した割合は37.4%**に達し、2020年度以降で最高を記録している。
1-3. 「検討期間の長期化」と「問い合わせ会社数の増加」
顧客行動の変化はもう一つのトレンドとも結びついている。RSC調査によれば、賃貸契約までの検討期間は長期化傾向にあり、**1ヶ月以上かけて検討する割合は48.3%**と前年より増加した。
同時に、顧客が問い合わせる不動産会社数も増加している。賃貸の問い合わせ会社数は平均3.3社と、過去11年間で最多を記録した。
これが意味するところは明確だ。顧客はより多くの選択肢を比較検討するようになり、その判断材料としてオンラインで得られる視覚情報の質と量が決定的な役割を果たすようになっている。
つまり、バーチャルツアーの導入は単なる「付加価値」ではなく、顧客の期待に応え、競争に勝ち残るための必須条件になりつつあるのだ。
2. バーチャルツアーとは何か?——基本から最新技術まで
2-1. バーチャルツアーの定義と種類
バーチャルツアーとは、360度カメラで撮影した画像や映像を基に、ユーザーが好きな視点を選んで物件内を「歩き回る」ように見学できるデジタルコンテンツのことだ。
不動産業界で活用されるバーチャルツアーは、大きく分けて以下の3種類に分類される。
| タイプ | 特徴 | 導入コスト |
|---|---|---|
| 360度パノラマ写真型 | 複数の360度写真をつなぎ合わせ、クリックで移動。最も普及しているタイプ | 低〜中 |
| VR動画型 | 360度カメラで撮影した動画。歩きながらの撮影で臨場感を演出 | 中 |
| 3Dスキャン型 | レーザー測量技術で空間を3D化。ドールハウスビュー(俯瞰図)も可能 | 高 |
特に注目すべきは、360度パノラマ写真型の導入ハードルが大幅に下がっている点だ。スマートフォンと専用アプリ、あるいは3〜5万円程度の360度カメラがあれば、誰でも撮影を始められる環境が整っている。
2-2. VR内見とオンライン内見の違い
混同されがちだが、「VR内見」と「オンライン内見」は異なる概念だ。
- VR内見:事前に撮影・作成されたバーチャルツアーを顧客が自由に閲覧する方式。顧客は自分のペースで、好きな時間に何度でも物件を確認できる。
- オンライン内見:営業担当者がリアルタイムで物件を案内する方式。ビデオ通話ツールを使い、顧客の質問にその場で回答しながら案内を行う。
両者は「代替」ではなく「補完」の関係にある。バーチャルツアーで物件の絞り込みを行い、関心の高い物件にはオンライン内見で詳細確認、最終的には現地内見で契約判断——という流れが、最も効率的かつ成約率の高いカスタマージャーニーとして確立されつつある。
2-3. 主要なバーチャルツアー作成ツール
現在、不動産業界で広く利用されているバーチャルツアー作成ツールには以下のようなものがある。
【カメラメーカー系】
- RICOH THETA 360.biz:月額5,000円〜。360度カメラで高いシェアを誇るリコーが提供
- Insta360:8K対応の高画質360度カメラを展開。不動産向けバーチャルツアーキットも
【不動産特化型プラットフォーム】
- Spacely:不動産VRに特化した国内サービス。大手不動産ポータルサイトとの連携も
- Matterport:3Dスキャン技術のグローバルリーダー。高品質なドールハウスビュー対応
【基幹システム連携型】
- いえらぶCLOUD:不動産業務システムの一機能としてVRコンテンツ作成機能を搭載
導入を検討する際は、既存の業務システムとの連携性、撮影・編集の手間、月額コストのバランスを見て選定することが重要だ。
3. 導入メリット①:反響率・来店率の劇的向上
3-1. データが証明する集客効果
バーチャルツアーの導入効果を示すデータは枚挙にいとまがない。
ある調査によると、360度バーチャルツアーがある物件への関心度は、通常の写真だけの物件と比べて2.4倍も高いという結果が出ている。また、別の実証では内見予約率が65%向上したケースも報告されている。
不動産業務支援システム大手の発表では、VRコンテンツを活用した物件は反響率150%、来店率110%アップという成果が確認されている。
住宅メーカーの事例では、バーチャル内覧の導入後にWebアクセスが前年比1.4倍、モデルハウスへの来場予約は2.3倍に増加したという報告もある。
3-2. なぜバーチャルツアーが反響を生むのか
これらの効果が生まれる理由は、顧客心理の観点から説明できる。
①情報の非対称性の解消 従来の間取り図や数枚の写真では、実際の空間のイメージを掴むことは難しい。バーチャルツアーは**「部屋の広さ感」「窓からの景色」「生活動線」**など、写真だけでは伝わりにくい情報を的確に伝達する。これにより、顧客は「もっと詳しく知りたい」と感じ、問い合わせや来店へとつながる。
②検討の本気度を高める バーチャルツアーで事前に物件を詳しく確認できることで、「とりあえず見に行く」レベルから「本気で検討している」レベルへと顧客の検討度が上昇する。結果として、来店した顧客の成約率も向上する。
③他社との差別化 同じ物件を複数の仲介会社が取り扱う場合、バーチャルツアーを提供している会社の方が選ばれやすい。「先進的」「透明性が高い」というブランドイメージも、競争優位性につながる。
3-3. 顧客の「不満」を解消する効果
RSC調査では、顧客が不動産会社に対して不満を感じたポイントとして**「問合せをしたら『その物件はもうない』と言われた」**が上位にランクインしている。
バーチャルツアーを活用すれば、物件情報の更新と連動させることで情報の鮮度を担保できる。「写真はあるのに実際は募集終了」という事態を防ぎ、顧客の信頼を損なうリスクを軽減できるのだ。
4. 導入メリット②:業務効率化と人手不足への対応
4-1. 内見対応の工数削減
不動産業界の現場では、深刻な人手不足が続いている。限られた人員で繁忙期を乗り切るためには、業務効率化が不可欠だ。
バーチャルツアーの最大の業務効率化効果は、「空振り内見」の削減にある。
従来の対面内見では、1件あたり移動時間を含めて1〜2時間を要することも珍しくない。しかし、事前にバーチャルツアーで物件を確認してもらうことで、「思っていたのと違った」という理由での内見キャンセルや、見学後の即座なお断りを大幅に減らせる。
結果として、営業担当者は本当に成約可能性の高い顧客対応に集中できるようになる。
4-2. 一度の撮影で繰り返し活用
バーチャルツアーのもう一つの効率化メリットは、**「一度撮影すれば何度でも使える」**という点だ。
対面内見やオンライン内見は、顧客ごとにスタッフのリアルタイム対応が必要となる。しかし、バーチャルツアーは一度作成すれば、24時間365日、何人もの顧客が同時に閲覧可能だ。
特に人気物件や新着物件では、問い合わせが集中しやすい。バーチャルツアーがあれば、すべての問い合わせに即座に対応できなくても、顧客は自分のペースで物件を確認できる。機会損失の防止という観点でも、大きな効果が期待できる。
4-3. 営業時間外の問い合わせ対応
不動産を探す顧客の多くは、日中は仕事をしている。そのため、物件検索や問い合わせは夜間や休日に集中しやすい。
バーチャルツアーは、営業時間外でも顧客が自由に物件を確認できる手段を提供する。これにより、「問い合わせたいけど営業時間外だった」という離脱を防止し、翌営業日に確度の高い問い合わせとして回収できるようになる。
5. 導入メリット③:遠方顧客・外国人顧客への対応力強化
5-1. 転勤者・新入学生の需要を取り込む
賃貸市場における大きなボリュームゾーンの一つが、転勤者と新入学生だ。
これらの顧客層には共通する特徴がある。それは**「物件が所在するエリアから離れた場所に住んでいる」**という点だ。
ある不動産会社の実績では、2025年1月から3月の繁忙期に成約した案件のうち、**約4割が「内見なし」または「オンライン内見のみ」**での契約だったという。特に県外からの転勤者や、時間的余裕のない顧客においてこの傾向が顕著だ。
バーチャルツアーを用意しておけば、遠方の顧客でも来店前に詳細な物件確認が可能となり、「現地に来てから考える」ではなく「ある程度決めてから現地に行く」という効率的な物件選びをサポートできる。
5-2. インバウンド需要への対応
外国人居住者や留学生の増加に伴い、外国人顧客への対応力も重要性を増している。
バーチャルツアーは言語の壁を超えた視覚的なコミュニケーションツールとして機能する。特に、来日前に物件を決定したいというニーズを持つ外国人顧客にとって、バーチャルツアーは必須の情報源となりつつある。
実際、オンライン内見を導入した会社からは、「デジタルリテラシーの高い外国のお客様は、効率よく物件検討をすることを最優先で考えているため、それに対応する必要があると考えた」という声が聞かれる。
5-3. 先行申込の促進効果
退去予定が決まっているが、まだ現入居者が住んでいる「退去前物件」。従来は現地内見ができないため、顧客の判断が難しいケースだった。
しかし、前回の空室時に撮影したバーチャルツアーがあれば、退去前でも物件の詳細を確認できる。これにより、人気物件への先行申込を促進し、空室期間の短縮にもつながる。
6. 実践編:今日から始めるバーチャルツアー導入ステップ
6-1. 必要な機材と初期投資
バーチャルツアー導入に必要な機材は、意外なほどシンプルだ。
【最小構成:5万円以内】
| 機材 | 目安価格 | 備考 |
|---|---|---|
| 360度カメラ(エントリーモデル) | 3〜5万円 | RICOH THETA SC2、Insta360 X3など |
| 一脚 | 3,000〜5,000円 | 三脚は脚が写り込むため一脚推奨 |
| スマートフォン | (既存利用) | カメラ操作・プレビュー用 |
【本格運用構成:10〜20万円】
| 機材 | 目安価格 | 備考 |
|---|---|---|
| 360度カメラ(高画質モデル) | 7〜15万円 | RICOH THETA Z1、Insta360 RS 1インチなど |
| 一脚(高品質) | 5,000〜1万円 | 安定性の高いもの |
| バーチャルツアー作成ソフト | 月額5,000〜1万5,000円 | ランニングコスト |
重要なのは、**「最初から完璧を目指さない」**ことだ。まずはエントリーモデルで試験運用を行い、効果を確認してから投資を拡大するアプローチが賢明だ。
6-2. ツール選定の3つのポイント
バーチャルツアー作成ツールを選ぶ際は、以下の3点を確認したい。
①既存システムとの連携 自社のホームページや、掲載している大手不動産ポータルサイトにバーチャルツアーを簡単に埋め込めるか。API連携やiframe対応の有無を確認しよう。
②操作の簡便性 撮影から公開までのステップが複雑だと、現場の負担となり定着しない。「撮影→アップロード→公開」が数クリックで完了するツールを選ぶことが重要だ。
③コスト体系の明確さ 月額固定制か、物件数やPV数に応じた従量制か。自社の物件数や想定アクセス数に応じて、どちらが有利かを試算しておこう。
6-3. 導入から公開までの具体的フロー
STEP1:撮影対象物件の選定(1日目) まずは反響の多い物件や空室期間が長い物件から優先的にバーチャルツアーを作成する。全物件を一度に対応しようとすると挫折しやすい。
STEP2:撮影(2〜3日目) 1物件あたりの撮影時間は、慣れれば15〜30分程度。後述する撮影のコツを押さえれば、初心者でも十分なクオリティを実現できる。
STEP3:編集・公開(3〜5日目) 撮影した画像をツールにアップロードし、各ポイントをつなげてツアーを作成。物件情報やコメントを追加して公開する。
STEP4:効果測定・改善(継続) 閲覧数、問い合わせ数、成約数などを追跡し、PDCAを回す。効果の高い物件の特徴を分析し、撮影・編集のノウハウを蓄積していく。
7. 撮影のプロが教える「魅せる」360度写真の撮り方
7-1. 撮影の基本5原則
バーチャルツアーの品質は、撮影技術で大きく左右される。以下の5原則を押さえることで、初心者でもプロ級の仕上がりを目指せる。
原則①:撮影時間帯を選ぶ 最適な撮影時間帯は午前9時〜11時または午後2時〜4時。柔らかい自然光が入り、部屋が明るく清潔に見える。曇りの日は光が拡散されるため、意外と撮影に適している。
原則②:カメラの高さは「目線」 カメラの設置高さは床から120〜150cmが目安。実際に部屋に立った時の目線に近い高さで撮影することで、閲覧者が空間の広さを正確に把握しやすくなる。
原則③:部屋の角から撮影 カメラはなるべく部屋の角に設置する。これにより、空間の広がりを最大限に表現できる。部屋の中央に置くと、圧迫感のある映像になりやすい。
原則④:撮影者の写り込み回避 360度カメラは全方位を撮影するため、撮影者自身も写り込んでしまう。クローゼットや浴室に隠れるか、スマートフォンからリモート操作で撮影しよう。
原則⑤:1部屋につき1〜2ポイント 撮影ポイントは多すぎても少なすぎてもNG。リビングは2ポイント、寝室や水回りは各1ポイントを目安に。移動がスムーズにつながるよう、動線を意識した配置を心がける。
7-2. 撮影前の準備チェックリスト
物件の印象を左右する撮影前の準備も重要だ。以下のチェックリストを活用してほしい。
【室内環境】
- [ ] 全ての照明を点灯
- [ ] カーテン・ブラインドを開ける
- [ ] 換気して空気を入れ替え
- [ ] ゴミ・ホコリの除去
【不要物の撤去】
- [ ] 管理会社の案内看板や掃除用具
- [ ] 不要なチラシ・郵便物
- [ ] 前入居者の残置物
【細部の確認】
- [ ] トイレの蓋を閉じる
- [ ] 洗面台・キッチンの水滴拭き取り
- [ ] 鏡やガラス面の指紋・汚れ除去
7-3. 「VRホームステージング」という選択肢
空室物件は、家具がないため「生活イメージが湧きにくい」という課題がある。
この課題を解決するのが**「VRホームステージング」**だ。撮影した360度写真に、CGで家具や雑貨を配置することで、あたかも実際にインテリアが置かれているかのような映像を作成できる。
本物の家具を搬入するホームステージングと比較して、コストを大幅に抑えながら同等の効果が期待できる。特に、ファミリー向け物件や高級物件で効果を発揮する手法として注目されている。
8. 費用対効果を最大化する運用のコツ
8-1. 優先順位をつけた導入戦略
すべての物件にバーチャルツアーを用意するのは、工数・コストの両面で現実的ではない。費用対効果を最大化する優先順位をつけることが重要だ。
【最優先】
- 反響は多いが成約に至りにくい物件
- 新築・築浅のアピールポイントが多い物件
- 高価格帯で「慎重に検討したい」顧客が多い物件
【次に優先】
- 空室期間が長期化している物件
- 駅から遠いなど立地にハンデがある物件(内部の魅力でカバー)
- 退去予定が決まっている人気物件
【後回しでOK】
- 反響も成約も安定している物件
- 短期間で入れ替わる学生向け物件
8-2. 大手不動産ポータルサイトとの連携
バーチャルツアーの効果を最大化するには、大手不動産ポータルサイトでの露出が欠かせない。
多くのポータルサイトでは、バーチャルツアー対応物件に専用のアイコンやバッジを表示する機能がある。これにより、検索結果一覧の段階で他物件との差別化が可能となり、クリック率の向上につながる。
自社ホームページだけでなく、掲載しているポータルサイトにもバーチャルツアーを反映させることを忘れずに。
8-3. 効果測定のKPI設計
導入効果を正確に把握するためには、**適切なKPI(重要業績評価指標)**を設定する必要がある。
【推奨KPI】
| 指標 | 測定方法 | 目標の目安 |
|---|---|---|
| バーチャルツアー閲覧数 | ツールの管理画面 | 前月比10%増 |
| 閲覧→問い合わせ転換率 | 閲覧数÷問い合わせ数 | 5%以上 |
| 問い合わせ→来店転換率 | 問い合わせ数÷来店数 | 30%以上 |
| 来店→成約転換率 | 来店数÷成約数 | 25%以上 |
バーチャルツアーの有無で各指標がどう変化するかを比較することで、投資対効果を数値で説明できるようになる。
9. 導入時の注意点とよくある失敗パターン
9-1. 「撮影しただけ」で終わらせない
よくある失敗パターンの第1位は、**「バーチャルツアーを作成したが、活用されていない」**というケースだ。
せっかく撮影しても、自社ホームページの目立たない場所に埋もれていたり、ポータルサイトへの反映を忘れていたりしては効果は限定的だ。顧客が最もアクセスする場所に、最もアクセスしやすい形で配置することを徹底しよう。
また、問い合わせへの返信メールや、LINE・SNSでの物件紹介時にバーチャルツアーのURLを積極的に案内することも重要だ。
9-2. 情報の鮮度管理
バーチャルツアーは「一度作れば永続的に使える」というメリットがある一方、情報の鮮度管理という課題も生じる。
特に注意すべきは以下のケースだ。
- 募集終了した物件のバーチャルツアーが残っている
- リフォーム前に撮影した映像が、リフォーム後も使われている
- 季節が大きくずれている(真夏撮影の映像を真冬に見せる等)
物件情報の更新とバーチャルツアーの管理を連動させる仕組みを構築しておくことが重要だ。
9-3. 「バーチャルで完結」への過信
バーチャルツアーはあくまで**「物件選びの効率化ツール」**であり、対面内見の代替ではない。
RSC調査でも、「オンライン内見を使いたくない」と回答した理由として**「実際に内見していただいた方が契約後のトラブルを防げるから」**という声が多く挙がっている。
壁紙や床材の質感、日当たり、周辺環境の雰囲気など、バーチャルツアーでは伝わりにくい情報も確かに存在する。最終的な契約判断は現地確認を推奨する姿勢を持ちつつ、バーチャルツアーを「事前の絞り込みツール」として位置づけるのが適切だ。
10. フランチャイズ加盟という選択肢——本部支援で導入をスムーズに
10-1. 個店での導入ハードルとその解決策
バーチャルツアー導入の意義は理解しても、**「うちの規模では導入が難しい」**と感じる経営者も少なくないだろう。
実際、以下のような課題が導入のハードルとなりやすい。
- 初期投資や月額コストの負担
- 撮影・編集のノウハウ不足
- 効果的な運用方法がわからない
- 本業が忙しく、新しいことに手が回らない
こうした課題を解決する一つの選択肢が、フランチャイズへの加盟だ。
10-2. ハウスコムフランチャイズの支援体制
ハウスコムフランチャイズでは、加盟店のデジタルツール活用を含めた多様な業務支援を提供している。
【業務支援の特徴】
- 大手不動産テック企業の基幹システムを採用し、コンバータ・顧客管理・契約管理の3点セットを提供
- 利用料金はロイヤリティに含まれるため、追加の運営費用負担を軽減
- 定期的な加盟店会合で、成功事例やノウハウを共有
- 本部主催のベンチマークセミナーで、業界トレンドをキャッチアップ
【ブランド力を活用した集客】 ハウスコムは1998年の設立以来、約200店舗の直営店を展開するまでに成長。特に関東・東海・近畿の三大都市圏では、そのブランド認知度が集客・物件仕入れの両面で加盟店の営業活動を後押しする。
10-3. 「本部の引き出し」を活用する
バーチャルツアーのような新しい取り組みを個店で推進するのは、情報収集から導入、運用定着まで相応の労力を要する。
フランチャイズ加盟のメリットは、**「本部が持つ多くの引き出し」**を活用できる点にある。ハウスコムフランチャイズでは、本部スタッフが定期的に加盟店を巡回(リアル・オンライン)し、各店舗が抱える課題に対して具体的な解決策を一緒に考えるサポート体制を整えている。
デジタルツール活用に限らず、経営全般の課題解決を本部と二人三脚で進められることは、中小規模の不動産会社にとって大きな安心材料となるだろう。
11. まとめ:バーチャルツアーは「あれば便利」から「なければ選ばれない」時代へ
本記事では、バーチャルツアーを活用した物件訴求力向上について、市場動向から具体的な実践方法まで解説してきた。最後に、重要なポイントを整理しておこう。
【市場動向】
- 「写真の点数が多い」が不動産会社選びのポイント第1位(RSC調査2025年)
- オンライン内見の利用意向は40.9%、オンライン契約は42.2%と過去最高
- 顧客の検討期間は長期化、問い合わせ会社数は増加傾向
【導入メリット】
- 反響率2.4倍、内見予約率65%向上などの実績
- 「空振り内見」の削減による業務効率化
- 遠方顧客・外国人顧客への対応力強化
【実践のポイント】
- まずはエントリーモデルで試験運用から
- 優先順位をつけた物件選定が費用対効果のカギ
- 撮影の基本5原則を押さえれば初心者でも十分なクオリティ
- 作成後の「活用」と「情報鮮度管理」を忘れずに
バーチャルツアーは、もはや「あれば便利」な付加価値ではない。顧客の期待に応え、競合他社との差別化を図るための必須ツールへと進化している。
一方で、個店での導入・運用には相応のハードルがあることも事実だ。そうした課題を解決する手段として、フランチャイズ加盟による本部支援の活用も選択肢の一つとなる。
不動産賃貸仲介業界は、デジタル化の波の中で大きな変革期を迎えている。その変革に乗り遅れず、むしろ変化をチャンスに変えるための第一歩として、バーチャルツアー導入を検討してみてはいかがだろうか。
関連情報
ハウスコムフランチャイズに興味をお持ちの方へ
ハウスコムフランチャイズでは、不動産賃貸仲介業の経営をサポートする多彩な支援メニューを用意しています。デジタルツール活用を含めた業務支援、ブランド力を活かした集客支援、そして経営課題の解決に向けた本部スタッフのサポートなど、加盟店の成長をバックアップする体制を整えています。
資料請求・お問い合わせは、ハウスコムフランチャイズ公式サイトをご覧ください。
本記事は、不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025年)等の公開データを参照して作成しています。


