不動産営業に向いてる人の特徴とは? 賃貸仲介で”活躍する人材”を見極める7つの視点と採用・育成のリアル

「不動産営業に向いてるのは、どんな人か?」——この問いは、求職者だけのものではない。 人材の採用と定着に悩む不動産賃貸仲介業の経営者にとっても、答えを持っておくべき”経営課題”そのものだ。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によれば、不動産業・物品賃貸業の離職率は13.4%。全産業平均の15.4%を下回るとはいえ、営業職に限ればミスマッチによる早期離職が依然として現場を悩ませている。本記事では、不動産営業——とりわけ賃貸仲介の現場で成果を出す人材の”共通項”を、採用・育成の両面から掘り下げる。求職者が「自分は向いているのか」を判断する材料として、また経営者が「どんな人材を採り、どう育てるか」を考えるヒントとして、ぜひ最後まで読み進めてほしい。


不動産営業の仕事内容を正しく理解する——「売る仕事」だけではない

不動産営業に向いてる人を語る前に、まず業務の全体像を押さえておきたい。不動産営業と聞くと「物件を売り込む仕事」を想像する方が多いが、実態はもう少し複雑だ。

不動産営業は大きく「売買仲介」「賃貸仲介」「投資用不動産販売」「仕入れ営業」などに分かれる。なかでも賃貸仲介は、来店したお客様へのヒアリング、物件の提案、内見の同行、契約手続きの説明と、一連のプロセスを1人の営業担当者がワンストップで担うケースが多い。

売買に比べて1件あたりの単価は下がるが、その分回転の速さが求められる。繁忙期の1〜3月には、1日に何件もの内見をこなし、同時並行で複数のお客様とやり取りすることも珍しくない。

つまり、賃貸仲介の営業に求められるのは「高額商品を押し売りする突破力」ではなく、限られた時間のなかで一人ひとりのお客様に寄り添い、最適な住まいを提案する”対応力”と”処理速度”の掛け算なのだ。この前提を踏まえたうえで、向いてる人の特徴を見ていこう。


不動産営業に向いてる人の特徴7選——賃貸仲介で活躍する人材の共通項

1. 「聞く力」がある人——傾聴こそ成約の起点

不動産営業に向いてる人の筆頭に挙げられるのが、コミュニケーション能力の高さだ。ただし、ここでいうコミュニケーション能力とは「話が上手い」ことではない。むしろ重要なのは**「聞く力」**だ。

賃貸仲介の現場では、お客様自身が「自分が何を求めているか」を明確に言語化できていないことが少なくない。「駅から近い方がいい」と言いながら、本当に優先しているのは日当たりだった——そんなケースは日常茶飯事だ。

表面的な条件だけをヒアリングして物件を並べるのではなく、会話のなかから潜在的なニーズを引き出せる人は、提案の精度が格段に上がり、成約率にも直結する。お客様から「この人は私のことを分かってくれている」と思ってもらえるかどうか。それが信頼の起点であり、リピートや紹介にもつながる。

【経営者向けTips】 面接時に「前職で顧客の潜在ニーズを引き出した経験はありますか?」と具体的なエピソードを問うと、傾聴力の有無を見極めやすい。

2. 精神的なタフさとポジティブ思考を持つ人

不動産営業はメンタルの強さが問われる仕事だ。内見まで進んだお客様が突然キャンセルする、他社に決められてしまう、繁忙期には体力的にも追い込まれる——そうした場面は避けて通れない。

ここで大切なのは、「落ち込まない人」ではなく、**「落ち込んでも引きずらない人」**であるということだ。失注の原因を冷静に分析し、次の接客に活かせるリカバリー力こそが、長く活躍するための条件となる。

実際、不動産賃貸仲介で安定してトップクラスの成績を出している営業担当者の多くは、「うまくいかなかった経験」を自分の成長の糧に変えるポジティブな思考習慣を持っている。

3. フットワークが軽く、スピード対応ができる人

賃貸仲介の世界では、スピードが命だ。人気物件は問い合わせから数日で決まることもある。お客様からの連絡に対するレスポンスの速さは、そのまま信頼感に直結する。

「問い合わせが来たらまず5分以内に一報を入れる」——これを徹底するだけで来店率が上がったという事例は、業界で数多く報告されている。フットワーク軽く動ける行動力は、不動産営業における最大の武器の一つだ。

逆に「じっくり考えてから動きたい」タイプの人は、日々変わる物件状況や複数のお客様のスケジュール調整に苦戦しがちだ。

4. 学び続ける意欲がある人——法律・市場・地域の知識は”信頼の通貨”

不動産営業には幅広い知識が求められる。宅地建物取引業法をはじめとする法律知識、住宅ローンや税制の基礎知識、さらには担当エリアの交通事情、学区、商業施設の情報まで——お客様が知りたいことは多岐にわたる。

とりわけ賃貸仲介の営業では、地域に根ざした”生きた情報”の有無が提案力を左右する。「このエリアは来年新しいスーパーができるので利便性が上がります」「この物件は築年数が古く見えますが、昨年フルリノベーション済みです」——こうした一歩踏み込んだ情報提供ができるかどうかで、お客様の満足度は大きく変わる。

宅地建物取引士の資格取得を目指す過程で身につく知識は、日々の営業活動の土台になる。近年は賃貸不動産経営管理士の需要も高まっており、資格取得に前向きな人材は、経営者の目にも留まりやすい。

5. 目標達成意欲が高く、自己管理ができる人

不動産営業では、月ごとの成約件数や売上目標が設定されることが一般的だ。この目標を「プレッシャー」と感じるか、「成長の指標」と捉えるかで、仕事への向き合い方は180度変わる。

目標達成意欲が高い人は、数字を追うことに意味を見出し、逆算してスケジュールを組み立て、日々の行動に落とし込める。こうした自己管理能力は、特に賃貸仲介の繁忙期を乗り越えるうえで不可欠なスキルだ。

加えて、不動産営業は比較的自由度の高い働き方ができる反面、自分を律することができないと成果が伴わない。時間管理、タスク管理、体調管理——「自分をマネジメントできる力」は、向いてる人に共通する特徴の一つだ。

6. 人の人生に関わることに喜びを感じられる人

住まい探しは、お客様の人生における大きな転機と結びついていることが多い。就職、結婚、出産、転勤——その節目に寄り添い、最適な住まいを一緒に探す仕事には、他の営業職にはない”やりがい”がある。

「契約を取ること」だけをゴールにするのではなく、「お客様の新生活のスタートを支える」という使命感を持てる人は、おのずとお客様からの信頼も厚くなる。結果として数字もついてくるという好循環が生まれるのだ。

ハウスコムFC加盟店の声にも、「飲食業で培った接客スキルを活かし、お客様の暮らしに寄り添える仕事に就きたかった」という独立の動機が語られている。人の人生に関わることへの情熱は、不動産営業における持続可能な原動力となる。

7. 素直さと柔軟性を持つ人——「最強の新人」の条件

業界未経験者が不動産営業の世界に飛び込む際、最も重要な資質は何か。多くの現場マネージャーが口を揃えるのが**「素直さ」**だ。

上司や先輩のアドバイスを素直に受け止め、まずは実行してみる。うまくいかなければ修正する。このサイクルを高速で回せる人は、驚くほど早く成長する。逆に、過去の成功体験に固執して「自分のやり方」にこだわる人は、新しい環境への適応に時間がかかりがちだ。

不動産業界は法改正やDX(デジタル・トランスフォーメーション)による変化も激しい。IT重説(オンラインでの重要事項説明)や電子契約の普及など、新しい仕組みに柔軟に対応できるかどうかも、今後ますます重要な適性要素となるだろう。


不動産営業に向いていない人の特徴——ミスマッチを防ぐために知っておくこと

向いてる人の裏返しではあるが、以下の傾向がある場合は注意が必要だ。

コミュニケーションに強い苦手意識がある人 は、日常的に多くの人と接する不動産営業では負荷が大きくなりやすい。ただし「人見知り」と「傾聴力がない」は別の話であり、口下手でも聞き上手な人は十分に活躍できる可能性がある。

変化を嫌い、ルーティン重視の働き方を強く求める人 にとっても、日々状況が変わる不動産営業はストレスになりやすい。物件の空き状況やお客様の要望は刻々と変化するため、臨機応変な対応が苦手な場合は向かない可能性が高い。

完全な土日休みを最優先する人 も、不動産賃貸仲介では難しい場面がある。お客様の多くが土日に物件を探すため、平日休みのシフトを基本とする企業が大半だ。ただし近年は、シフト制の柔軟性を高める企業も増えている。

重要なのは、「向いていない=挑戦すべきではない」ではないということだ。自分の特性を理解したうえで、どの領域でなら強みを活かせるかを見極めることが、ミスマッチの回避につながる。


【経営者必読】 採用ミスマッチを防ぐ——「適性の見極め」と「育つ仕組み」の両輪

不動産業界の採用が「難しい」理由

不動産業界の採用環境は、年々厳しさを増している。dodaの調査によると、2024年5月時点の不動産業界の転職求人倍率は5.58倍に達した。つまり、1人の求職者に対して約5.5件の求人が存在する”超・売り手市場”だ。

さらに、不動産業・物品賃貸業の法人数は令和4年度末時点で378,460社にのぼり、15年前と比較して約10万社増加している。一方で、従業者1〜4人の企業が全体の86%を占める業界構造は変わっていない。

小規模事業者にとって、「良い人材を採りたいが、大手に比べて知名度も待遇も劣る」というジレンマは深刻だ。だからこそ、採用の精度を上げることと、採用した人材が定着し成長する仕組みを整えることの両方が必要になる。

面接で見るべき3つのポイント

経営者や採用担当者が面接で見極めるべきは、スキルや経験だけではない。以下の3つの観点から、「自社の営業スタイルに合うかどうか」を判断したい。

① 過去の「乗り越えた経験」を具体的に語れるか ——困難に直面した際の思考プロセスと行動パターンが分かる。精神的タフさや問題解決能力の有無を見極める最も有効な質問だ。

② 「なぜ不動産業界なのか」に自分の言葉で答えられるか ——業界研究の深さだけでなく、「この仕事を通じて何を実現したいのか」という内発的動機の有無が見える。動機が明確な人ほど、入社後のミスマッチが起きにくい。

③ 相手の話を最後まで聞けるか ——面接の場で面接官の質問を最後まで聞かずに回答を始める人は、顧客対応でも同じ傾向を見せる可能性がある。些細な所作にこそ、傾聴力のヒントが隠れている。

「採って終わり」にしない——人材が育つ組織のつくり方

不動産営業の現場では、「業務の属人化」が長年の課題として指摘されてきた。トップ営業のノウハウが共有されず、新人が自力で成長するしかない——そんな環境では、せっかく採用した人材も早期離職のリスクにさらされる。

この課題に対して、先進的な企業が導入しているのが、以下のような「育つ仕組み」だ。

メンター制度の導入 ——経験豊富な先輩が新人をマンツーマンでサポートする体制は、スキルの伝達だけでなく精神的な支えにもなる。1on1ミーティングを定期的に実施することで、悩みの早期発見と対処が可能になる。

SFA(営業支援システム)の活用 ——営業プロセスをデータで可視化し、「どの段階でつまずいているか」を客観的に分析できる。成功パターンの共有にもつながるため、チーム全体のスキル底上げに寄与する。

資格取得支援制度の充実 ——宅建士や賃貸不動産経営管理士の取得を奨励し、受験費用の負担や学習時間の確保を支援する企業は、求職者からの評価も高い。


不動産賃貸仲介で「組織力」を高めるために——フランチャイズという選択肢

ここまで見てきたように、不動産賃貸仲介業者にとっての人材課題は「良い人材の採用」と「採用した人材の育成・定着」の二つに集約される。しかし、小規模な不動産会社が自社だけでこれらを解決するのは、正直なところ容易ではない。

そこで注目したいのが、フランチャイズ(FC)への加盟という選択肢だ。

たとえば、ハウスコムフランチャイズでは、全国にグループ合計203の直営店舗とFC40店舗を展開する実績とブランド力を背景に、加盟店に対して多角的な支援を提供している。

ブランド力による集客支援 ——関東・東海・近畿の三大都市圏を中心に高い認知度を持つ「ハウスコム」の看板を掲げることで、大手不動産ポータルサイトからの反響に加え、ブランド指名による来店も期待できる。集客力の底上げは、営業担当者のモチベーション維持にも直結する。

ノウハウの提供と研修体制 ——25年以上にわたり賃貸仲介をコア事業として成長してきたハウスコムのノウハウを、加盟店にも共有。本部主催のベンチマークセミナーでは直営店の成功事例だけでなく、他の加盟店のリアルな実態も定期的に共有される。人材育成に必要な「教材」と「ベストプラクティス」を、自社だけで一から構築する必要がない。

業務システムの提供 ——大手不動産テック企業の基幹システム(コンバータ・顧客管理・契約管理の3点セット)を、ロイヤリティに含まれる利用料金で活用できる。業務効率化は、営業担当者が本来注力すべき接客と提案に時間を割くための前提条件だ。

加盟店同士のネットワーク ——定期的な会合を通じて、各加盟店が抱える課題や成功事例を共有。孤立しがちな中小不動産会社の経営者にとって、「同じ看板を掲げる仲間」の存在は、経営判断の拠り所になる。

本部スタッフによる伴走サポート ——本部のスタッフが定期的に巡回(リアル・オンライン)し、経営課題から日常の業務改善まで幅広く対応。加盟店が抱える課題に対し、豊富な「引き出し」で解決を目指してくれる。

実際に、異業種からの独立でハウスコムFCに加盟した経営者の中には、飲食業の接客経験を活かしつつ、本部の仕組みを活用することで短期間で事業を軌道に乗せた事例もある。人材の採用・育成に課題を抱える不動産賃貸仲介業者にとって、こうした”仕組みの力”を借りることは、合理的な経営判断と言えるだろう。


不動産営業の適性を活かすためのキャリアTips

最後に、不動産営業への転職を考えている方、あるいは現在の仕事への適性に悩んでいる方に向けて、実践的なアドバイスをまとめておきたい。

自分の「強み」と「賃貸仲介で求められる能力」を照らし合わせてみる ——前述の7つの特徴すべてに当てはまる必要はない。一つでも自信を持てる特徴があれば、それを起点に他のスキルは後から身につけられる。特に「聞く力」と「素直さ」は、経験でカバーしにくい”素養”の部分であり、自分にその適性があるなら大きなアドバンテージだ。

異業種経験は「弱み」ではなく「武器」になる ——接客業やサービス業の経験者は、顧客対応のスキルをそのまま活かせる。IT業界出身者なら、DXが進む不動産業界でテクノロジーの知見が重宝される。自分の過去のキャリアを「不動産営業でどう活かせるか」という視点で棚卸ししてみてほしい。

「不動産営業」と一括りにせず、自分に合った”型”を探す ——売買か賃貸か、法人向けか個人向けか、新規開拓型か反響営業型か——不動産営業の中にも多様なスタイルがある。「営業=飛び込み」というイメージだけで判断せず、自分の性格やライフスタイルに合った業態を見極めることが、長く活躍するための鍵だ。

まず行動してみる ——向き不向きは、実際にやってみなければ分からない部分も大きい。不動産業界のセミナーに参加する、宅建の勉強を始めてみる、業界経験者の話を聞く——小さな一歩が、新しいキャリアへの入口になることは多い。


まとめ——「向いてる人」は”見つける”だけでなく”育てる”もの

不動産営業に向いてる人の特徴を7つの視点から見てきた。傾聴力、精神的タフさ、フットワークの軽さ、学習意欲、目標達成意欲、人の人生に関わる情熱、素直さ——これらは確かに重要な素養だ。

しかし、本記事で最もお伝えしたいのは、「向いてる人」は”見つける”だけでなく”育てる”ものでもあるということだ。

採用時にすべての適性を備えた”完璧な人材”は、そうそう現れない。だからこそ、経営者には「ポテンシャルのある人材を見抜き、育つ仕組みの中で成長を促す」という視座が求められる。

その仕組みづくりを自社単独で行うのが難しいと感じるなら、フランチャイズ本部のノウハウやネットワークを活用するのも一つの手だ。ハウスコムFCのように、25年以上の実績に裏打ちされた支援体制を持つパートナーと組むことで、「人が育つ組織」の基盤を効率的に構築できる。

不動産営業に向いてる人を「探す」だけでなく「育てる」——その発想の転換が、人材課題を抱える不動産賃貸仲介業者にとっての突破口になるはずだ。