駅徒歩5分と10分で家賃は○万円違う──顧客の予算と希望を両立させる「駅距離×家賃」提案テクニック完全ガイド

「駅近がいいけど、家賃は抑えたい」──不動産賃貸仲介の現場で、この相反するニーズを持つ顧客に出会わない日はないだろう。2025年の最新調査では、賃貸契約者が物件選びで最も重視するポイントの1位は「家賃・価格」、そして2位には「駅の利便性」がランクインした。この二大要素をいかに調整し、顧客満足度の高い提案ができるかが、成約率を大きく左右する時代となっている。
本記事では、駅距離と家賃のバランスを提案する具体的なテクニックを、最新のデータと実践的なノウハウをもとに徹底解説する。反響獲得に苦戦している仲介会社も、この提案力を身につけることで他社との差別化が図れるはずだ。
「駅近」へのこだわりは本当に強いのか?最新データが示す顧客心理
家賃と駅距離──不動産選びの「二大優先事項」
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が2025年に実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によると、賃貸契約者が物件を決める際に気にするポイントは以下の通りだ。
| 順位 | 項目 | 賃貸契約者(%) |
|---|---|---|
| 1位 | 家賃・価格 | 87.7 |
| 2位 | 駅の利便性 | 64.2 |
| 3位 | 部屋数・間取り | 54.3 |
| 4位 | 建物・部屋の広さ | 43.2 |
| 5位 | 周辺の生活利便性 | 33.3 |
特に注目すべきは、「特に重視するポイント」として「家賃・価格」を挙げた人が22.2%、「駅の利便性」を挙げた人が22.2%と、ほぼ同率で並んでいる点だ。つまり、顧客は「安くしたい」と「便利な場所がいい」という相反する要望を同時に抱えており、この二つのバランス調整こそが仲介会社の腕の見せどころとなる。
顧客は「徒歩何分」を許容するのか
一般的に、駅からの徒歩距離が1分伸びるごとに家賃は約1〜2%下がるといわれている。首都圏の人気エリアでは、駅徒歩5分と10分の物件で月額5,000円〜10,000円の差が生じることも珍しくない。
年間に換算すれば6万円〜12万円。10年住み続ければ60万円〜120万円という金額差になる。この「見える化」ができるかどうかが、顧客の意思決定を後押しする重要なポイントだ。
駅距離と家賃のバランスを提案する「5つの実践テクニック」
テクニック1:徒歩時間を「生活コスト」に換算して伝える
「駅から10分の物件は、5分の物件より月1万円安くなります」
この説明だけでは、顧客の心には刺さりにくい。より効果的なのは、徒歩時間を生活全体のコストとして可視化するアプローチだ。
提案トークの例:
「駅から10分の物件は、5分の物件より月1万円お安くなります。年間で12万円、仮に5年お住まいになれば60万円の差額です。毎日5分多く歩くことで、これだけの貯蓄ができると考えれば、健康面でもプラスになりますね」
このように、金額の累積効果と健康という副次的メリットを組み合わせることで、「駅から遠い=デメリット」という固定観念を払拭できる。
テクニック2:「隠れた駅近物件」を提案する
多くの顧客は、「人気駅=駅近物件が高い」という認識を持っている。しかし実際には、同じ路線でも1〜2駅ずらすだけで家賃相場が大きく変わるケースは多い。
具体的な提案方法:
- 「A駅から徒歩5分」ではなく「A駅の隣駅から徒歩3分」を提案
- 急行停車駅ではなく、各駅停車駅の駅近物件を紹介
- 複数路線が利用可能な「穴場駅」の駅近物件をリストアップ
ターミナル駅から1〜2駅離れるだけで、駅徒歩3分の物件が、ターミナル駅徒歩10分の物件より安いケースもある。顧客の「本当の利便性ニーズ」を深掘りすることで、思わぬ好条件の物件を提案できる。
テクニック3:通勤・生活動線をヒアリングで可視化する
「駅に近い方がいい」という顧客の声を額面通りに受け取ってはいけない。なぜ駅近を求めているのか、その本質的なニーズを掘り下げることが重要だ。
深掘りヒアリングの質問例:
| ヒアリング項目 | 質問例 |
|---|---|
| 通勤・通学先 | 「普段の通勤先はどちらですか?」 |
| 利用頻度 | 「電車は毎日使われますか?週に何回程度ですか?」 |
| 帰宅時間 | 「お仕事の帰りは、何時頃が多いですか?」 |
| 買い物動線 | 「普段のお買い物はどこでされることが多いですか?」 |
| 休日の過ごし方 | 「お休みの日は、どのように過ごされますか?」 |
例えば、週に3〜4日在宅勤務をしている顧客であれば、「駅から少し離れても、スーパーやドラッグストアに近い立地の方が、日常の利便性は高いですよ」という提案が刺さる。
在宅勤務の普及により、「駅近=便利」という図式は崩れつつある。顧客の生活スタイルを細かくヒアリングすることで、より的確な物件提案が可能になる。
テクニック4:周辺環境の「付加価値」を数値化する
駅から離れた物件を提案する際、単に「静かで住みやすい」と伝えても説得力に欠ける。周辺環境のメリットを具体的な数値で示すことが効果的だ。
数値化の例:
- 「駅前より、この物件周辺は騒音レベルが約20デシベル低いです」
- 「最寄りのスーパーまで徒歩2分。駅近物件だと平均5分以上かかることが多いです」
- 「近隣に公園が3つあり、お子様の遊び場には困りません」
- 「このエリアの犯罪発生率は、駅前エリアの約半分です」
自治体が公開しているハザードマップや犯罪統計なども活用すると、説得力が増す。前述の調査でも、「災害のリスクが少ない地域」を重視する声は年々高まっており、特に子育て世帯への提案では有効なアプローチとなる。
テクニック5:「比較表」で選択をサポートする
2025年の調査では、賃貸契約者が問い合わせた不動産会社数は平均3.3社、問い合わせた物件数は平均5.6物件と、過去11年間で最多を記録した。顧客は「比較して選ぶ」傾向を強めている。
この流れに対応するには、仲介会社側から比較しやすい情報を提供することが有効だ。
比較表の作成例:
| 項目 | A物件(駅徒歩3分) | B物件(駅徒歩8分) | C物件(駅徒歩12分) |
|---|---|---|---|
| 家賃 | 85,000円 | 78,000円 | 72,000円 |
| 管理費込み総額 | 90,000円 | 82,000円 | 75,000円 |
| 築年数 | 15年 | 8年 | 3年 |
| 専有面積 | 25㎡ | 28㎡ | 32㎡ |
| 最寄りスーパー | 徒歩6分 | 徒歩2分 | 徒歩3分 |
| 初期費用目安 | 約36万円 | 約33万円 | 約30万円 |
このように、駅距離だけでなく総合的な比較材料を提示することで、顧客は自分にとっての「ベストバランス」を見つけやすくなる。「押し売りされた」ではなく「自分で選んだ」という納得感が、成約率向上と顧客満足度アップの両方につながる。
反響対応で差がつく「初速」の重要性
優れた提案力があっても、そもそも顧客との接点がなければ発揮する機会はない。2025年の調査で最も注目すべきデータのひとつが、**不動産会社の対応で満足だったことの1位が「問合せに対するレスポンスの早さ」(71.5%)**だったという点だ。
一方、不満だったことの上位には「問合せをしたら『その物件はもう無い』と言われた」(24.7%)、「言葉遣いや対応が気に障った」(23.5%)が並ぶ。
つまり、スピーディーかつ正確な情報提供ができなければ、どれだけ良い提案スキルを持っていても顧客に選ばれないということだ。
仲介会社が抱える「提案力以前の課題」
多くの中小規模の不動産仲介会社は、提案力を磨く以前に、以下のような課題を抱えている。
- 物件情報の収集・管理に時間を取られ、提案の質を高める余裕がない
- 反響数そのものが不足しており、提案の機会が限られている
- 顧客管理システムが不十分で、フォローアップが属人的になっている
- マーケティングやブランディングに投資するリソースがない
これらの課題を単独で解決しようとすれば、膨大なコストと時間がかかる。そこで有効なのが、実績あるフランチャイズへの加盟という選択肢だ。
ブランド力と業務支援で「提案に集中できる環境」を手に入れる
ハウスコムフランチャイズは、賃貸仲介業をコア事業として25年以上の実績を持つハウスコムグループが展開するフランチャイズシステムだ。関東・東海・近畿の三大都市圏を中心に、直営約200店舗、FC38店舗を展開している(2025年3月末時点)。
加盟店が得られるメリットは、大きく分けて以下の4つだ。
1. ブランド力による集客・仕入れ支援
「ハウスコム」の知名度は、三大都市圏において高い信頼を獲得している。このブランド力は、顧客からの反響獲得だけでなく、物件の仕入れや自主管理オーナーへの営業にも活かされる。
2. 業務システムの一括提供
大手不動産テック企業の基幹システムを採用し、コンバータ・顧客管理・契約管理の3点セットを提供。これらの利用料はロイヤリティに含まれるため、追加コストを気にせず業務効率化を図れる。
3. 本部による反響送客
本部が主体となって様々な企業と業務提携を行い、反響送客による支援を実施。自社単独では難しい集客チャネルの確保が可能になる。
4. ノウハウ共有と定期巡回サポート
設立以来25年以上にわたって蓄積されたノウハウが、加盟店に惜しみなく提供される。本部スタッフによる定期巡回(リアル・オンライン)も実施されており、経営課題や現場の悩みに寄り添ったサポートを受けられる。
提案力を活かすには「土台」が必要
駅距離と家賃のバランス提案は、顧客との信頼関係を築く上で極めて重要なスキルだ。しかし、そのスキルを発揮するためには、まず反響を獲得し、効率的に顧客対応ができる体制が整っていなければならない。
「良い提案ができるのに成約につながらない」「そもそも反響が少なくて困っている」——そんな課題を感じている仲介会社にとって、フランチャイズ加盟は有効な解決策のひとつとなるだろう。
自社だけでは実現が難しいブランド力や業務支援を活用しながら、本業である「提案」に集中できる環境を手に入れる。それが、比較される時代において選ばれる不動産仲介会社への第一歩となるはずだ。
まとめ:駅距離×家賃の提案で押さえるべき5つのポイント
- コストを累積で伝える:月額差だけでなく、年間・5年・10年単位で換算して提示
- 隠れた駅近を提案:1〜2駅ずらす、各停駅を活用するなど視野を広げる
- 本質的ニーズを深掘り:「なぜ駅近がいいのか」を具体的にヒアリング
- 数値で説得力を高める:周辺環境のメリットを可視化
- 比較表で選択をサポート:顧客が「自分で選んだ」と感じられる情報提供
顧客の予算と希望を両立させる提案は、一朝一夕では身につかない。しかし、本記事で紹介したテクニックを日々の営業活動に取り入れることで、確実に成約率は向上していく。
そして、その提案力を最大限に発揮するための「土台づくり」として、フランチャイズ加盟という選択肢もぜひ検討してほしい。
※本記事で引用した調査データは、不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025年)に基づいています。


